なぜ日本人は英語が話せないのか part1

「日本人は英語を話せない」とよく嘆かれますが、それにはたくさんの原因があります。本記事では、私が思う「日本人が英語を喋れない理由トップ3」を一つずつ紹介します。

1. 自信がない

断言しますが、日本人が英語を話せない一番の原因は「自信がないから」です。事実、受験でしっかりと英語を勉強してきた人が英会話のレッスンを受講して自信がつくと、劇的に英語が話せるようになります。以下、日本人はなぜ自分の英語力になかなか自信を持てないのか、その主たる原因について述べていきます。

1.1. 「英語ができる=頭がいい」のイメージ

日本では、「英語ができる人≒頭がいい」というイメージがあります。これは、英語が得意だと大学受験(特に受験科目の少ない文系私立大学)で非常に有利になるため、結果的にその人が高学歴である可能性が高いからだと思われます。実際、数学が15%しか取れなかったのに英語がほぼ満点だったため、東大の理科I類に合格した人が僕の友人にいました(ただ、その年の数学は非常に難しく、平均点がかなり低い年でしたが)。

このような背景があると、我々は無意識に「下手な英語を話すと馬鹿にされる」とか「頭が悪いと思われる」と考えてしまいがちです。日本人の前で英語を話すのをためらう人が特に多いのは、そのためでしょう。日本人は「英語が出来る=すごい」というイメージを持っており、それゆえ特に見栄っぱりな人は、人前で拙い英語を喋ることに抵抗を感じてしまうのだと考えられます。

1.2 頭でっかちな日本人

日本の英語教育は読解や文法知識を重視したものとなっており、そのため日本人の多くは非常に高度な文法知識を有しています。特に受験の文法問題を通じて、英語の正しい表現や間違った表現に関する知識を我々は徹底的に叩き込まれます。しかし、一方で英会話能力は受験で全く問われてこなかったため、スピーキングの練習をする機会や動機がほとんどありませんでした。その結果、多くの日本人がいわば「頭でっかち」の状態になっており、いざ英語を喋ろうとすると頭の中で色々あーでもないこーでもないと考え、結果黙り込んでしまうのです。勇気を出してせっかく何か発言できても、「あ〜今のはlikeじゃなくてlikesだった!」とか「うわ〜”Did you made”とか中学生の英語かよ」と自分の間違いにすぐ気づき、先ほど説明した1.1の背景も合わさって自己嫌悪に陥ってしまうのです。また、自分で間違いに気が付かなくても周囲の”知識豊富”な日本人に間違いを指摘されないかと心配して、話すのを不必要に恐れてしまいます。日本人は高度な読解力や文法知識を有する一方で、スピーキングが非常に不慣れであるという大きなギャップがあり、このギャップこそが日本人のスピーキング上達の大きな障害となっているのでしょう。

1.3 周囲を気にする国民性

日本人は基本的に周囲を気にしがちです。この傾向は、「海外から見た日本人」とか「外国人に聞いた日本の偉人トップ○○」みたいなネット記事やテレビ番組が大人気だということからも明らかでしょう。これは、小さな頃から我々は「人様に迷惑をかけないように」とか「他人の気持ちになって行動しなさい」のような「他人を思いやる教育」を受けているからだと私は考えます。もしこれが他人を”思いやる”だけなら良いのですが、我々は必要以上に周囲の目を気にして、目立つことを恐れてしまいがちです。事実、「月に行きます」と宣言して話題となった某某TOWNの社長のような目立つ人が叩かれやすい国でもあります。帰国子女が周りを気にしてワザと下手クソな発音で英語を喋ったりするのも、そのためでしょう。日本で英語を話せばどうしても目立つことになるので、「目立つのが嫌だ」という深層心理が英語のスピーキング上達を妨げていると考えられます。

ただ、私はこうした他人を思いやる教育が絶対悪だと言うつもりは全くありません。日本人が礼儀正しく真面目な性格であり、また日本の治安が世界最高水準に保たれているのも、こうした教育の賜物かと思います。しかし、周囲を気にしすぎると起業など思い切ったことが出来ないという弊害もあるので、何事もバランスが大事ですね。

1.4 まとめ及び第二外国語との比較

以上をまとめると、日本人がスピーキングに自信を持てない主な原因は「下手な英語を話して出来の悪さを露呈したくない気持ち」、「知識はたくさんあるのに喋った経験が少ない、頭でっかちな状態」、「目立ちたくないという深層心理」にあると私は考えます。なお、2020年から大学受験でスピーキング試験が導入されることが決定しましたが、これによって2つ目の「頭でっかちな状態」が少しでも解消されれば良いなと個人的に思っています。

以上、日本人の性質と英語の関係性について述べてきましたが、一方で第2外国語について我々はどう考えているでしょうか。例えば、1年程度しか勉強していない第2外国語を人前で披露することは、英語ほど抵抗を感じないのではないでしょうか。もしそうだとしたら、それは間違いを恐れる「頭でっかちな状態」になる前にスピーキングに挑戦できることや、第2外国語の能力は英語のように頭の良さやステータスの高さを示唆しないことが理由でしょう。日本語を学んでいる外国人が気楽に日本語を喋っているのを見ると、我々も彼・彼女らのようにもっとリラックスして英語を学び、話していけたら良いなとつくづく思います。

次回予告(仮)

2. 日本語話者という”ハンデ”
2.1 音の違い
2.2 言語構造の違い
2.3 言語的距離

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